富山簡易裁判所 昭和43年(ろ)10号 判決 1968年4月08日
主たる事務所所在地
富山市東田地方町一丁目五番二三号
商号
株式会社 建興社
代表者(代表取締役)
福山与三松
右の者に対する法人税法違反被告事件について、検察官遠藤安夫出席のうえ審理をし、次のとおり判決する。
主文
被告株式会社建興社を罰金七〇万円に処する。
理由
(罪となるべき事実)
被告株式会社建興社は、本店を富山市東田地方町一丁目五番二三号に置き、宅地造成等の事業を営むものであるところ、被告会社代表取締役福山与三松において、被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもつて、正規会計帳簿に売上金の一部を計上せず、賞与の支払を過大計上する等の方法により所得を秘匿したうえ、
第一、昭和四〇年五月三一日、所轄富山税務署長に対し、昭和三九年四月一日から昭和四〇年三月三一日までの事業年度における所得金額が四、九〇三、六八三円(その法人税額一、七一三、三六〇円)であつたにも拘らず、所得金額二、二〇〇、五四七円(その法人税額七二六、一六〇円)である旨記載した虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税九八七、二〇〇円を免れ、
第二、昭和四一年五月三一日、所轄富山税務署長に対し、昭和四〇年四月一日から昭和四一年三月三一日までの事業年度における所得金額が九、四九〇、一三九円(その法人税額三、二二三、三五〇円)であつたにも拘らず、所得金額が六、五〇四、八九六円(その法人税額二、〇四八、一九〇円)である旨記載した虚偽の法人税確定申告書を提出し、もつて不正の行為により同事業年度の法人税一、一七五、三六〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、被告会社代表者福山与三松の当公判廷における供述
一、福山与三松および前川美喜子の検察官に対する各供述調書
一、大蔵事務官作成の証明書三通
一、検察事務官作成の捜査報告書二通
一、岡田隆作成の各査察事件調査事項報告書
一、岡本良策作成の各査察事件調査事項報告書
一、福山与三松、前川美喜子、入江松次、田辺友吉および新田辰次の大蔵事務官に対する各質問顛末書
一、前川美喜子および福山与三松作成の各上申書
(法令の適用)
被告会社の判示第一の所為は法人税法(昭和四〇年法律第三四号)附則第一九条の規定によつて旧法人税法(昭和二二年法律第二八号)第五一条第一項、第四八条第一項に、判示第二の所為は法人税法第一六四条第一項、第一五九条第一項、に各該当するが、以上は刑法第四五条前段の併合罪であるから同法第四八条第二項により各罪につき定めた罰金の多額を合算した金額の範囲内で、被告会社を罰金七〇万円に処することとする。
(裁判官 湖東孝)